勇者は僧侶のなんなのさ
「今エッチな事考えている?」


「…………気にしないで」


そういってシサの顔を見たら、なんと、シサが頬を赤らめていた。


表情は別に変わっていないが。


「……シサも人間なんだね」


「残念だけど」


残念なのか。


「とりあえず、その椅子に座って」


そういって、シサはベッドに腰掛けた。


ちょうど向かい合うような形になる。


「早速だけどさ、さっきミユの言っていた『モモタロウ』って、一体なんなんだろう?」


「分からない」


シサは首を振る。


「だけど……」


「だけど?」


「桃から生まれたモモタロウ、ではないらしい」


「え?」


「モモタロウは、桃を食べたお爺さんとお婆さんが若返って……」


シサは口を閉じた。


「……結果として生まれたのがモモタロウ」


なんだこの変な空気は。


「え、えっと……。それで、シサはミユの話とどう関係があると考えているのかな?」


「関係ない。ただ、話たかっただけ」


「……てい」


シサの頭にチョップした。


「あう……」


シサは殴られた部分をさすっている。


ちょっと不満そうだが、この空気を作ったのはシサだから、しょうがない。
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