勇者は僧侶のなんなのさ
「もっと真面目に考えてよ」


「真面目に考えても分からない」


「いや、絶対に分かるはず」


そういったら、シサは一旦口を閉じた。


「……なんでそう思う?」


「だってさ、答えられない謎掛けなんてしないでしょ」


「そう?」


シサは答えられない謎掛けをすることがあるのだろうか。


「僕は無いよ」


「フェイが変なんじゃ無い?」


痛いところをつく。


だが、変、という点に関してはシサに言われたくない。


「それだけじゃあ無いよ!」


勢いよく立ち上がる。


すると、シサを見下ろすような形になった。


シサは逆に見上げている。


「ミユは、わざわざ僕達がいるところで舌を噛んだ」


「それが?」


「もしただ死ぬだけだったら、僕たちが帰ってからの方が成功しやすいでしょ」

「……そうね」


「あと、ミユは僕たちが帰る直前に舌を噛んだ」


ということは、と言いながらシサに詰め寄る。


そして、シサと目の高さを合わせるためにしゃがんだ。


「僕たちに帰ってほしくなかったんだ」


「……それは少し都合が良すぎる」


「でも、そうじゃないかと思う。勘だけど」
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