勇者は僧侶のなんなのさ
「勘か……」


シサは何かを思案しているようで、目を閉じた。


「フェイの勘はよくあたる」


「そう?」


「うん。昔から」


と言われてもそんな記憶は無い。


シサとは昔からの付き合いで一緒にいろいろな事をしたが、それでも勘を使うようなことは無かったと思う。


まぁ、シサが信じてくれるならそれで良いが。


「何か考えがある?」


「正直に言えば無い。とにかく、たくさんミュの所に行ってみようと思う」


「行き当たりばったり」


「へへへ、すみません」


笑いかけると、シサも少し表情が緩んだ。


「フェイらしい」


「そうかもね。さて、そろそろ帰るよ。どう帰れば良い?」


「送っていく」


シサは立ち上がった。


そして、部屋を出ていく。


その後について部屋をでていったら、ばったりと他の司祭にあってしまった。


これは、マズイ。


「シサ……」


願いを込めて、シサに助けを求める!


「変態!!」


シサはいつもより大きな声をだし、期待を裏切った。


「くそー!」


その後、必死になって教会から逃げ帰り、しばらく布団の中でガタガタ震えていた。


捕まらなくてよかったと本当に思っている。
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