勇者は僧侶のなんなのさ
左肘周辺に官能的な響きがする。


これは確かめずにはいられない。


そっと布団を下ろした。


すると、シサの頭が見える。


どうやら、抱き着いているようだ。


「あ、あの…………。シサさん?」


「ん?」


シサは顔を上げた。


上目遣いは反則。


罰としてモフモフしたくなった。


「こ、これは…………」


「寝るだけ」


「ね、寝るって…………」


襲え、ということでしょうか。


「今日ミユの所へ行かないから。休む」


そういってシサは一層強く抱き着いてきた。


左足をシサの両足で挟まれ、左手は抱きまくらにされている。


そんな状態でさらに力を込めて抱き着くシサ。


体の一部がアカン事になってきた。


でもこれは当然で、年頃の女の子に抱き着かれたら誰でもそうなる。


「そ、そろそろ十八禁…………」


「え?」


「…………何でも無いです」


「そう」


シサは目を閉じた。


本格的に眠りに入るつもりだろうか。


それは困る。


このまま寝られでもしたら野性が理性に勝ってしまう。


仕方あるまい。


「そろそろ行こうか」


上半身を起こした。
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