勇者は僧侶のなんなのさ
「とりあえず、これからミュの所へ行くつもり。ね、シサ」


シサはコックリと頷く。


「はいっ、報告終わりー。じゃ行くよシサ」


立ち上がると、シサも続いて立った。


「…………私も行ってみていいか?」


静かなランスの声。


「え?」


「上司として、ミュの裏にいるbbを調べる必要があると思う」


「それはいいけど、ギルドの仕事は大丈夫なの?」


「…………大丈夫」


間合いがあった後、ランスは答えた。


「仕事、残っているんだね」


「う…………」


ランスはたじろいた。


「もう、まったく…………。今回の件はまだ本格的になってないから、まだランスは出てこなくて大丈夫だよ」


「しかし…………」


「核心に触れるところまで来たらすぐに報告するから、心配ご無用さ」


そう言ってもランスは心配そうだ。


しかし、時間も時間なので、そろそろ出発したい。


無駄に時間をとりすぎたのだから。


「じゃ、行ってきます!」


「あ、フェイ!」


ランスの声を背中で聞きながら家を出た。


こうでもしないとランスはギルドに戻って仕事をしないだろう。


年下の上司の相手は大変である。


そんな事を思いながら、病院へ向かった。
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