勇者は僧侶のなんなのさ
ギルドへ着くとランスは席で踏ん反り返り、「フェイ、お茶」と要求し始めた。


当然そんなものは却下して、自分に課された仕事を取り組み始める。


いろいろな仕事が膨大にあるが、とりあえずはミュの報告書を提出するのが最優先なので、ペン先にインクをつけて文を綴り出す。


報告書を書くことは今までに何度もあったが、今回のように保護観察の報告書を書くことは殆ど無かったのでどう書いたら良いか分からない。


とりあえず昨日から今日にかけて起こった問題と、ミュの様子を仔細に書き出す。


しかしそれだけではスペースがまだまだあるので、ついでにこれからの予定を書く。


目下の予定としては、ミュをギルドへ連れて来るというものがある。


保護をしているのだから、家に一人で置いておくわけにもいかないので、このような予定をたてているのだ。


しかしそう簡単に上手く行くはずがないだろう。


ミュ一人だけではなく、ランスやシサの相手も同時にしなければならないのだから。


普段の仕事ならとにかく、ちょっと込み入った仕事となると途端にシサの相手が辛くなる。


今度ばかりは単体の仕事にしてもらおうか等と考えてみたが、結局ランスもいるのでどうしようもない。
< 47 / 78 >

この作品をシェア

pagetop