勇者は僧侶のなんなのさ
「待て待て待て。その歩みをとめるのだ、フェイ。私は君の意見に反対だ」


「痛い！　髪を引っ張るな！」


これからの育毛の為に、立ち止まる。


ランスは頭の上で「ふー」と一息つき、頭に顎をぐりぐりと押し付けてきた。


これは育毛的に見て良いのか悪いのか分からないが、大変不快である。


「いきなりどうしたの？」


「まぁまぁ落ち着きたまえ。良く考えてみなさい、ここは二階なのだから、窓から出たら落ちてしまうではないか」


「そりゃあ、そうだけど…………」


「君が言わんとしている事はわかる。確かにここから落ちた所で怪我をしたりすることはないだろうから、飛び降りる事になんの問題もないだろう、等と考えているのだろう」


「うん、まぁ…………」


正直、面倒臭くなってきた。


何が言いたいのか、皆目見当がつかない。


「しかし、この通り私はスカートをはいており、飛び降りたりしてしまえば衆目に下着を曝してしまうではないか。乙女の恥は断固として避けてもらいたい」


「要は、パンツ見えちゃうって事？」


「かいつまんで言えば、そういう事になるだろう」


「じゃあ心配ないでしょ？」
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