咲いても、枯れても2~ソラ色~
『ごめんなさい。私、どうかしてたわ。こんなことで秀くんを困らすなんて』
そう言って、屈託もない笑顔を向ける。
不安なんぞ見せずに。
微塵も。
そんな露草色、この胸に仕舞ってしまおう。
誰にも見せずに。
もしくは、流してしまう。
簡単に、消えるはず。
『ねえ、まだ持ってたの?』
『え?』
彼の指先は、私の手のひら。
四つ葉、白詰草。
『うん。押し花にしてしまったから、生き生きとはしてないけれどね』
押し花。
いつまでも、枯れない。
生きている草花は、終わりがあるけれど、鮮やかにその時を、彩る。
押し花は、終わりがない。
不変に、形を残す。
なんだか、この二つはそうして置きたかった。