咲いても、枯れても2~ソラ色~
秀くんは、私の言葉にむっとすることなく、次の言葉を放つ。
淡々と。
『普通じゃないね。俺は西条の育ちだけど、学校は公立中学なんだから。一般人なんて、嫌気が差す程見てるし』
あ、と思う。
そうだった。
秀くん、私の隣の学校。
南中学校だったわ。
今更ながら、疑問が湧く。
『ねえ、何で南中に通ってるの?西条家なら、私立とか行けば良いのに……』
ここまで言って、言葉を濁す。
余計な迷惑だったかしら、と思って。
案の定、秀くんは黙ってしまった。
そっと、俯く。
重い鈍色が、のし掛かる。