咲いても、枯れても2~ソラ色~
『あ、やっぱり良いわ。それが西条家の方針とかかもしれないし。ごめんね、えっと…』
『俺が、望んだから』
え、と目を見張る。
望んだ?
『俺が、私立は嫌だ、って』
さっきと変わらず、低い声。
また、銀の刃を剥き出しにする。
『ど、どういうこと?』
恐る恐る尋ねると、一度私を強く睨んだ。
刃がぐさりと刺さる。
この鈍色を、どうにかしたい。
『西条家の子だからって……何で、私立に通わなきゃならないんだよ。何で、秀才になれ、とか、期待されなきゃならないんだ…』
その瞳は、ぐらぐらと揺れていた。
これが本音だ、と悟る。
どうしようもない、露草色が溢れ出る。
ただ、支えてあげたいと思う。
私で良ければ。