咲いても、枯れても2~ソラ色~
静寂が、私たちを包む。
でも、鈍色ではない。
辺り一面の若葉色。
落ち着いた、その若葉。
そして、高く広がる空色。
何もかも、吸いとってくれそうな、無限な空色。
どこまでも、限りなく。
『空ってね、不思議なのよ?空を仰いで、深呼吸すると、どうしてか、落ち着くの』
そう言って、優しく身体を離す。
やっと、顔が見えた。
その顔は、何も考えていないように、ぽけっとしている。
力なく、無防備に。
それを見て、柔らかく微笑む。
次いで、空を仰ぐ。