咲いても、枯れても2~ソラ色~
『さくら、これは俺にくれるのか?』
手に取っていた二つを、私に見せる。
『う、うん…駄目』
『駄目?』
とても欲しそうな顔をしたけれど、駄目。
どうしても、これは。
特に深い理由なんて無い。
けれど、駄目。
唯一あるとすれば、秀くんとのたった一つの繋がりだから。
その理由、拓にはなぜか言えないけれど。
『また、拓のために探して来るわ!!待ってて』
拓の手のひらの二つを、優しく取る。
拓は、どうした?、という表情をする。
拓にも、何かあげたいわ。
という想いが湧く。
強く。