咲いても、枯れても2~ソラ色~
『なぜあなた様が、こんな場所にいらっしゃるのですか?』
こんな誰も来ないような場所に、と続けた。
迷ってしまったの、と言いたかったけれど、なんだか悔しい。
こんな時に思うべきではないのに。
足元で、淡い黄色が風に揺れる。
なんだか、彼と重なる。
『ちょ、ちょっと用があったのよ!!!!』
『こんな場所に?どんな?』
う、と思う。
適当に言った言葉が、自分の首を絞める。
そんな私を見て、彼は楽しげに笑った。
『白純美様は、嘘をつけぬ方ですね。まさに純粋です』
そう言って、しゃがむ。
その小さな手が、私の手を取る。
ん?と不思議に思った時には瞬間的に、手に柔らかさが舞い降りる。
思わず、目を見張る。
そして手を引っ込める。