咲いても、枯れても2~ソラ色~
『ま、まあ……』
曖昧な言葉を落とすと、真優くんは優しく笑った。
心なしか、無邪気に。
偽りの色は見えなかった。
『それは、良かったです。それで、白純美様…』
真優くんの瞳に、淡い黄色が映る。
私もそちらに瞳を向ける。
『先程も言いましたが、これは鬼灯という花です』
ホオズキ。
ようやく、その名を、脳が認識する。
『ほ、ホオズキって、オレンジ色の丸いやつじゃないの?』
その名でよく知るのは、あの丸いオレンジ。
少なくとも、鬼灯に花があることは知らなかった。
自分の知識の浅はかさを、今更ながら思い知る。