咲いても、枯れても2~ソラ色~
真優くんは、クスクス笑って、言葉を放った。
『確かに、白純美様がおっしゃるものも、鬼灯でございます』
真優くんは、やっぱり、と目を輝かせる私を見て笑った。
素直なお方、と。
暗に“単純だ”と言われているようで、むっとした。
しかしそれには触れず、また言葉を次いだ。
『ですが、そのオレンジの部分は、花の咲いたのものなんですよ』
『え?』
やっぱり、私の知識は浅はかだったわ。
『花が咲いたあと、六角状の萼の部分が果実を包み、袋状に成るのです』
『へえ……』
『それが熟すと、白純美様のおっしゃる、オレンジ色に成ります』
真優くんの横顔と、鬼灯の花を重ねる。
どことなく、似ている。