咲いても、枯れても2~ソラ色~
『早く、オレンジの鬼灯、見たいですね』
そう言って笑う。
無邪気。
さっきまでの、偽りな雰囲気とは正反対。
どっちが本物?
そう疑ってしまう程に。
真優くんが、鬼灯の花に触れる。
優しく触れたのに、無惨にも儚く散った。
突如、記憶が巡る。
知ってるわ、と思う。
鬼灯─────ホオズキ。
その花言葉を。
『鬼灯、真優くんに似ているわ。とても』
そう言って微笑む。
何ゆえですか、という問いには答えない。
鬼灯の花言葉。
可愛いらしい、あざむき、偽り、ごまかし。
まさに、貴方。
そう思ってしまうのは、意地悪かしら?