咲いても、枯れても2~ソラ色~



けれど、私の血筋は平凡な家。


─────成宮家。




簡単には、こんなお嬢様扱いには慣れない。





頼稜さんも、鈴ちゃん、未菜ちゃんも、止めようとしないけれど。




“拓様の”、と言って。





恐らく、真優くんも────





『良いのですか?』




『え?』





唐突に問われて、尋ね返す。




良いのですか、って。





呼んでくれる、ということ?




白純美様、じゃない呼び名で。




『う、うん』



『では、白純美ちゃん、でどうですか?』





……なんだか、腑に落ちない。


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