咲いても、枯れても2~ソラ色~
『白純美様……?また、ぼっとしてますよ』
『あ、ごめんなさい』
我に返る。
隣で真優くんが楽しげに笑っていた。
私も、つられて笑う。
今、白純美様って呼んだわね?なんて咎める程、私は意地悪じゃないわ。
『百合』
真優くんが呟く。
ユリ、と聞いて首を傾げる。
それが私の呼び名なの?、と思って。
『あなた様は、白純美という素敵なお名前をお持ちです。どこまでも汚れなき、その名を』
汚れなき、名。
白純美。
そんなこと、初めて言われた。
名前を、褒められた。
その嘘偽りのない、真っ直ぐな瞳に、心臓が跳ね上がる。
揺らがないよう、拳を握る。