咲いても、枯れても2~ソラ色~
『姫百合、その純粋なる花に、あなた様はぴったりです』
そう言って、優しく笑う。
ひめゆり。
とてつもなく素敵な名前。
けれど、綺麗で、気高くて、私には似合わないとも思う。
『でも、そんな素敵な名前…』
『あなた様は、私たちの大事な姫なのですよ』
そっと手を取る。
その真っ直ぐな瞳に、呑み込まれそう。
あ、という間に、私の左手は、真優くんの口元。
抗おうとした、その時。
『何してんだよ』
不機嫌な王子の声が聞こえた。