咲いても、枯れても2~ソラ色~



『ただ、迷っただけよ』




聞こえるか、聞こえないかの声で呟く。



そして、そっと俯く。




『ま、いいや。真優、スミには手を出すな、と言っただろう』




呆れるような口調。



それとは正反対に、楽しげに言葉を放つ真優くん。




『手は出しておりませんよ、まだ』





まだ、を強調する。



その言葉を聞いて、私まで呆れてしまう。




とんでもない女好き、ね。





『真優くん、女好きの性格止めた方が良いわよ。その方が絶対に好かれるわ』





真優くん、可愛いから。



その、一途でない性格さえどうにかすれば、絶対に好かれる。




どうにもならないかもしれないのだけれど。



< 49 / 81 >

この作品をシェア

pagetop