咲いても、枯れても2~ソラ色~
真優くんは、瞳に秀くんを映して、また顔を赤に染めた。
『……勘違いの天才!!!!秀介様まで、僕をそんな目で…っ』
その声色は、とてつもなく嬉しそうで…。
また勘違いしてる、と思って呆れた。
秀くんは、すかさず思い切り真優くんの頭を叩いた。
『褒めてないし!!!!お前、もうどっか行ってよ!!疲れた!!』
確かに、疲れたはず。
さっきから叫んでばかり。
私は退屈しなくて、楽しいけれど。
『スミも笑ってないで、ほら、部屋に戻るよ!!』
苛立ちの矛先が私に向けられて、少しむっとする。
とばっちりを受ける。
部屋、というのは拓の部屋。
もしかしたら、「探検してくる」と言って、なかなか戻って来ないから心配したのかもしれない。
それで、秀くんに捜してもらった、とか?
色々思い当たる節はあるけれど、とりあえず今は戻らなきゃ。
またいつ、苛立ちの矛先が私に向けられるか分からないから。