咲いても、枯れても2~ソラ色~



『さくら!!!!一体どこまで行ってたんだよ』





拓の部屋に戻るなり、思い切り怒られた。




けれど、その愛をしっかりと感じられる。





『ご、ごめんなさい……』




一体どこまで、と問われても答えられない。




今も、あそこがどこか理解してないから。




誰も行かないような場所、としか言えない。





『僕が見回りをしてましたら、姫百合を見つけました』




真優くんが、可愛い笑顔で話す。



けれど、拓と秀くんは、ん?、と眉を歪める。




きっと、呼び名が引っかかったのだろう。





唐突に、“白純美”を“姫百合”と呼んでも、同一人物と理解するのは難しい。




いや、理解など出来ない。



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