咲いても、枯れても2~ソラ色~
『姫百合、とは?』
薄々気付いているはず。
けれど案の定、拓は“姫百合”を突いてきた。
瞳を隣に向けると、秀くんも気になっている様子。
すると、真優くんは、変わらぬ笑顔で答えた。
『姫百合、とは白純美様のことです。白純美様が“様”付けを嫌がりますゆえ』
二人とも、すぐに私を見た。
余計なことを!!!!と、秀くんの無言の叫び。
心配そうで、その上ちょっと不機嫌な拓の視線。
気にしない、真優くん。
『拓様も、秀介様も、そう呼びませんか?』
無言のまま、どうしようもなく追い詰められる。
胸の鼓動が、うるさい。
後でどうなるか、想像しただけでも恐ろしい。
別に、悪いことをした訳じゃないのに。