咲いても、枯れても2~ソラ色~
『そ、そうよ!!姫百合。素敵な名前でしょう?そう呼んで』
静寂が、居たたまれなくなり、言葉を放つ。
けれど、静寂は収まらない。
『姫百合……』
ようやく、秀くんが呟く。
何か、深く考え込んで。
想えば、私には愛称がたくさんあるわ。
白純美、さくら、スミ、そして…姫百合。
普通はこんなにないわよね。
どれも素敵だけれど。
『俺は、両方で呼ぶよ。スミが、姫百合、を望むなら』
秀くんは、そう言って私を見つめた。
私が、望むなら。
どちらでも良かったけれど、この静寂を打ち消すために頷く。