咲いても、枯れても2~ソラ色~
腕の主を辿ると、銀の彼だった。
恐ろしい険相。
心臓が跳ね上がる。
『俺たちは、自分の部屋に戻るから。お前はここに居ていいよ』
居ていいよ、じゃないでしょう?
居なさい、でしょう?
鋭い目付きで訴えられるから、抗えない。
『は、はい……』
私が言葉を落とすと、秀くんは真優くんに声を掛けた。
『では、失礼します』
そう言って真優くんは、足早に部屋を立ち去る。
その後、秀くんはもう一度私の腕を掴んだ。
そして、耳元で囁く。
『兄さまの機嫌、うまく直せよ。姫百合』
最後の姫百合から、色んな想いが伝わってくる。
その一言で、怒られた気分。