咲いても、枯れても2~ソラ色~
秀くんが部屋を出ていくと、ようやく二人きりになる。
でも、怖くて振り向けない。
拓に背を向けたまま、ぴくりともせず、黙る。
どうしよう、どうしよう、と心臓が騒ぐ。
しばらく、鈍色の静寂が流れる。
いつ口を開こうか、とか
怒ってたらどうしよう、とか
どう謝ろう、とか
そういうことが思考の全てを占めている。
不安が胸を巣食い続ける。
その静寂を打ち破ったのは、拓だった。
ゆっくりと、私の傍に来る足音が聞こえる。
あ、と思った時には、後ろから抱きしめられていた。
強く、強く。
切なさで、息が苦しくなる。
拓は一向に、力を緩めようとしない。
むしろ、増す。