咲いても、枯れても2~ソラ色~
『俺の傍に、俺の手の内に』
そう囁いてから、腕をほどき、私と向き合った。
『このさくらは、俺のものだ』
そう言って、口付けを交わす。
重ねた唇は一向に離れない。
存在を確かめるように、狂ってしまうくらい、深いキスをする。
キスだけで、その甘さ酔ってしまう程に。
『姫百合、その花は俺のものなんだよな?』
もしそうなら呼ぶ、と言う。
私という桜が、拓のモノのように、私という姫百合も、拓のモノなのか、と尋ねている。
当たり前、なのに。