咲いても、枯れても2~ソラ色~
『そ、そう……私は、あなたの姫百合よ』
呟く。
まだ、さっきまでの甘さに浸っているから。
『姫百合、美しい名だ』
そう言って、頬に口付ける。
なぜだか切なくて、苦しい。
『お前が好き過ぎて、おかしくなりそうだ』
拓の瞳をじっと見つめる。
私の瞳はグラグラと揺れている。
『真優にまで、嫉妬してしまいそうになる』
心臓を掴まれたように、苦しくてたまらなくなる。
同時に、ものすごく嬉しくなる。
拓の、深い愛に。
紅のように、情熱的な愛に。
『私はいつだって、あなたが一番好きよ』
その胸に宿る露草色を、洗い流す。
一言で。