咲いても、枯れても2~ソラ色~
『お花を無理矢理に切っては可哀想よ。自然に枯れるまでに、まだ命があるのに』
駄目。
人が、勝手に命を奪っては。
野花や草は良いと思う。
また、自然と芽生える命。
これは不公平な考え?
『綺麗だ』
そう言って私を見つめる。
髪を静かに撫でる。
その髪が、熱を帯びる。
『その考えが、綺麗だ。どこまでも汚れなき白。谷間の姫百合』
優しい瞳に、呑み込まれる。
簡単に。
私はそんなに綺麗じゃない。
汚れなき、白。
そんな色ではないもの。
どこまでも貪欲で、どこまでも拓を求める。
その、儚色を。