咲いても、枯れても2~ソラ色~
雛罌粟
『どどど、どうしよう!!!!』
五月晴れが広がる今日。
西条家に、悲鳴が響いた。
『何だよ、うるさいな』
『さくら?どうした?』
『姫百合様、一体どうされましたか?』
同じ部屋に居た、秀くん、拓、頼稜さんはほぼ同時に尋ねる。
作業をしていた手を止めて。
けれど、私は問いに答えない。
その場にペタリと座り込む。
携帯の画面を見ながら。
一度静まり返った部屋に、またうるさい声がこだます。
『ひ、姫百合!!!!誰かに襲われたのですかああ?!』
『真優っ!!!!お前は、相当のバカじゃないのか!!!!』
叫びながら、部屋に飛び込んで来る真優くん。
それを一言で制する秀くん。
さすが!!と思う間もなく、落ち込む私。