咲いても、枯れても2~ソラ色~
私も、秀くんを困らせるのは嫌だから、必死で言葉を考える。
けれど、浮かぶのは、
どうして私を?、の問い。
『お前がそんなだと、俺が困るんだよ。俺が兄さまに嫌われる。だから……』
口調が段々と、落ち着いてくる。
秀くんの全身は、
もうどうすれば良いんだよ!!!!と叫んでいるけれど。
胸の内に咲くのは、露草色。
露草の花びらの色。
水で洗うと簡単に洗い流せる。
どうしようもない、水色。
『ご、ごめんね。大丈夫…』
困らせてしまって、ごめんなさい。
私、こんなに弱かったかしら?
ううん、弱くない。
ちょっとやそっとのことじゃ、負けを認めない。
こんなに崩れない。
ああ、きっと拓のことだから。
こんなにも、溺れているから。
手のひらから落ちた二つを、そっと広い上げる。
大事に。