12月24日
女は機嫌をそのままにして帰って行った。
少し嬉しかった。
でも、今はそれどころじゃない。
「あのお方の裾を掴んだのはいけないと思いました。でも、父様がいなくなってからは私を睨むのです。それはまだ良いのですが、、、、」
「言い訳を聞いているんじゃないんだ!!」
怒っている父様に初めていらだつ。
「私はいけないことを口にしました!でも、あのお方は手を出したのです!」
初めて抵抗する我が娘に驚きつつも、麗の話を聞こうとしないのが現状だった。
「なぜ暴言を吐いた!」
「なぜあの人を家に迎えようとするのですか?」
自分は怒鳴るのに、悟るように言う麗にとまどいを隠せずにいた。
「そんなの、お前に話さまいが私の勝手だろう」
強がって言う我が父。
相談さえしてくれない寂しさ。
今までの寂しさがすべて襲う。
「それさえ話せないくらい、信頼してくれないのですね。」
「何を言う、、、」
「そうですもの。今の我が家に必要なのは女じゃないですものね!!」
父様に背を向ける。
「麗!待ちなさい!!」
父様の声も無視。
麗はその勢いで外に飛び出した。
外は、、、、、雨。
でも、今は一人でいたい。
小雨だったので、気にせずに走った。
門を出て気づく。
初めて一人で外に出た、、、、、、!
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