12月24日
「マジムカツクよね、ガキのくせに。」
「ま、親に似たんじゃないの?」
口々の文句。
「あなた達が言えること?口が悪すぎるわ。」
「アンタもね。お嬢のわりに、何となく庶民オ-ラが出てるって言うか。」
「庶民オ-ラは、親近感をわかせるの。それなりに嬉しいけど。」
気付けばある一人が手を大きく振り上げていた。
響く鈍い音。
麗は倒れた。
「ムカツクから、アンタ死んで?正直あの会社潰したいからさ?」
その言葉から、記憶が途絶えた。
気がつけば家の中で、近くにはあの高校生がいた。
「あの、、、、、、」
「私が偶然通りかかった公園で殴っているのを見てな。連れてきたんだ。」
高校生は公園にいたときとは違い、こわばっていた。
父様も気付いていたはずだろう。でも、見向きもせず、
「こいつらは、学校、親、警察に連絡しておいてくれ。処罰が必要だ。」
と、容赦なく攻めるのだ。
そこが、悪いところだった。
高校生は震えだし、涙を流し続けた。
水道の蛇口を開けっ放しにしたように、止まらない涙。
でも、瞳は何も写してはいない。
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