12月24日

それ以来麗は父様と話をしなくなった。
気まずくなるだけだから。
食事は、なるべく遅くに食べるようにした。

その生活を初めて1年、、、、、。
麗が11歳の時だった。
朝早く、麗の部屋に来た父様が
「麗、出かける支度をしなさい。」
と、一言おいた。
何の準備か分からなかったので、一応薄ピンクのワンピ-スを来た。
髪の毛は結べないので、おろしたまま。
部屋を出ると、付き人が“玄関まで行ってください。”と言う。
全く意味が分からない。
そのまま玄関まで行くと、家族全員、付き人、そして見たことない人が待っていた。
呆然としている麗に、父様は言った。
「この人達は、同じ名字の桃槻さんだ。この人達に、お世話になるんだ。」
その時初めて頭をよぎった。
“養子”
「嫌です私、、、、、、」
「決まったのだ。お前の意見など通るまい。」
「父様!!」
「私はもう君の父ではない。」
「冗談をよしてください!!」
麗は涙目だった。
父様も気付いていたはずだ。
なのに、、、、、

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