魔界の恋模様
あ、ああ…。
私は今日、どこだか分からない世界で命をおとします。

お母さん、お父さん。

ばっちり恨むからね!


そして私は。
ばっちり意識を失ったのだった。





────
──────

「…ん」

なんだかボソボソとした話し声で目が覚めた。

私…生きてる…?

「生きてるッ!」

思わず、むくりと体を起こす。

「生きてる!」
「女の生き肝が食える!」
「しかも姫だぞ!」

そしてさっきまでボソボソと聞こえていた声が、
はっきり聞こえてきた。

生き、肝?
食う?

…恐る恐る、私は辺りを見渡した。




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