魔界の恋模様
「降ろして、大魔王さん」
お城だからたくさん使用人さんとか居るだろうし…。
さ、流石に恥ずかしい…。
「何故だ?」
「べ、別に一人で歩けるから!重いって言ってたじゃん!」
ニヤニヤと意地悪そうに笑う大魔王さん。
なんか私、凄く言い訳がましい?
…いや!そんなことないよね!
「別に降ろしてもいいが…」
大魔王さんが姿勢を低くし、私を降ろしてくれた。
ひ、久しぶりに地にたった…!
と、そのとき。
「ひっ!?」
ガシッと、両足を物凄い力でつかまれた。
い、痛い!
足がちぎれるっ!
足元を見るが、なにも、ない。
「ほらな。言ったであろう」
「一言もいってないよね?」
それより!
めちゃくちゃ痛い…!
あ、涙でてくる…!
「た、助けて…」
「そうだな…よし。
俺に泣き縋ってきたら助けてやろう」
え?なにこの条件。
意地悪ーっな笑みを浮かべる大魔王さん。
ッつ!
絶っ対!今、骨きしんだ…!
あぁあああ!
もうプライドもなにもない!
「助けて…ください!大魔王様っ!」