魔界の恋模様
「いやぁあああぁっ!」
大魔王さんから飛び降りると、
私はトイレの個室に閉じこもった。
もう、やだっ!
…今日はまさに人生の汚点だよ、これ。
死ぬっ、死ぬー!
「苺」
「……なに?」
「確かな…。その個室は出ると思ったが」
は?
出る?
ま、まさか…。
おおおおお化け……なんてね。
これじゃ、また早とちりしちゃうよ私。
「幽霊の類がな」
幽霊の類がな…?
幽霊?ユウレイ?ゆうれい?
えぇええぇ!
私、早とちりじゃないじゃん!
あ、お化けって考えたんだっけ?
いやいやいや!
どちらにしても何か出るって!
「早く言ってよぉ!」