魔界の恋模様
急いで用をたし、個室を飛び出した私。
ドレスなんて慣れないから、ちょっと手間取ったけど。
そして、大魔王さんにひっついた。
「…さ、お風呂に行こうよ」
何事もなかったかの様にひっつく私に、
大魔王さんは呆れた様な笑みを浮かべた。
「ふん…、しょうがないな…」
大魔王さんに手を引かれ、歩みだす私。
───────トクン、
さっきまでは流れで平気だったけど…。
改めて繋がれた手に全神経が集中している様な感覚に襲われた。
──────トクン、トクン
は、はいっ!?
ちょ…待って!
違うし、違うからね!
ただ、男慣れしてないだけだしっ
「苺」
「は、はい!なんでしゅしゅか……なんスか」
うう。呂律がまわらないよぉ。
な、なんなの?
さっきからこんなのばっかり。
一体、これはなに─…?
「顔が赤いぞ」
「は、はぁあぁああっ!?勘違いじゃないし!こんなの違うし!」
あああ…。
自分でも何言ってるか分からないぞ、私。
なんだ?
勘違いじゃないし!って…。