魔界の恋模様
「もう問題ないぞ、苺」
どこか安心した口調の大魔王さん。
そして、泣き続ける私の頭を撫でてくれた。
「さっきのはなんだったの?」
数分後、やっと落ち着いた所で。
私は大魔王さんにべったりとひっつきながら、聞いてみた。
「簡単にいえば…幽霊だ」
その言葉に改めて私の背筋が凍り付く。
やっぱりぃ…!
「此処にいるのは人に悪戯するのが大好きな奴だけなはずなのだがな…」
「今のは違うの?」
「ああ。アイツには単純なる恨みを感じた」
えぇえ…。
じゃあ、私、あのまま大魔王さんが助けてくれなかったら…。
「もう行ったことだ。苺、お前も寝ろ」
あ、そうか…。
もうトイレに行く気力も無いし。
寝なくちゃね…。
……。
「…どうした?」
「私、今日ここで寝る!」