魔界の恋模様
わ、我ながら…恥ずかしいっ!
だっ、だけど!
こんな恐怖の中ひとりで寝るなんてムリムリ!
ぜぇーったい!不可能!
「別に構わんが…」
「やった!」
さすが大魔王さん。
気前がいいねぇ!
「どうなっても責任はとらんぞ」
にやーっと怪しい笑みを浮かべる大魔王さん。
…あの?
そのご真意は一体…。
いや、私ドラム缶体型だし。
すとんって、真直ぐだし。
…なんか、自分で言って虚しい様な。
「知らないッ!とにかく、寝るもんは寝りゅっ…」
「なんだ、動揺しているのか」
ちっ、違うし!
動揺なんかしてないっ!
ただ、呂律が回らないだけ!
…眠くて。
「だっ第一…襲ったら、ぶっとばすもん!」
「ほう?俺をぶっとばす、とぬかすか…」
顔の真横の壁に手がおかれ。
あまりの精神的衝撃に、私はずるずるとへたりこんでしまった。
つまり、大魔王さんには見下ろされている状態。
「やってみるか?」
───────ドキン。
不覚にも跳ね上がる心臓。
あまりにシリアス。
まさか…、大魔王さん、本気…なの?
だとしたら、私は…
どうすればいいの?