魔界の恋模様
「冗談だ。寝るぞ」
うえぇぇえいっ!
なにそのツッコミ泣かせ!
私、本気で“どうすればいいの?”とか考えちゃったんですけど!?
これじゃ私だけ赤っ恥じゃん!
このS大魔王っ!
今日ほど、人に殺意を覚えたことはないわっ!
あれ…人、かな?
「…どうした?まさか本気にしたわけじゃ「してないっ!」
断じてしてない!
神に誓ってしてません!
…神に誓うのはやめとこうかな。
「ふっ…なら寝るぞ」
軽く鼻で私の言葉を受け流すと、大魔王さんは私を抱えあげ、ベッドに放り投げた。
ギシッ、とスプリングが軋む。
「俺は今から一仕事ある。直ぐにおわると思うが…まあ、早く寝ろ」
そう言うと大魔王さんは椅子に腰掛け、床に散らばっていた書類に目を通しはじめた。
…仕事、ためすぎだろ。
ああ、でも…。
なんだか落ち着く─…。
よかった。
案外、早く寝れそう。
瞼が重い。
頭が暗闇に満ちていく。
おやすみ、大魔王さん。