魔界の恋模様
「うわぁああっ!」
ん…。
フィー?どうしたんだろ、こんな悲鳴、あげて…。
薄らと瞳を開き、声の聞こえたドア方向をうかがい見る。
「だっ大魔王様…っ!」
え?なに!?
どうしたの、一体!
顔が真っ赤なフィーさんに、ただ事ではないことをしる。
「なんてことを…!」
「…朝から煩いぞ、フィー」
真横から聞こえたのは。
大魔王さんの、声?
…え、え?
なんで隣に貴方がいるの。
「ひぎゃああぁあっ!」
とにもかくにも。
悲鳴を一発、あげておいた。
「どうしたんだい、フィー!」
「フィー、どうなさいました!?」
するとバタバタと慌ただしい足音が近づいてきて…、部屋の前にあらわれたのはレイスさんとクリスさん。
「王さま!君、まさか…!」
あ。そうだ。
今、思い出した。
私…昨日、怖くてこの部屋で寝たんだ。
「…なにを勘違いをしている」
再び真横から大魔王さんの、今度は不機嫌全開な声。
私もそれにあわせ、弁解しようとしたときであった。