魔界の恋模様
02:いきなり離ればなれ
私は今、どこだか分からない世界で
ドラゴンに乗ってる誰だか分からない男に
お姫様だっこをされています。
そしてさっきからの無言の空間が重苦しい。
「…あんた誰?」
思わず、警戒心まるだしで誘拐犯こと…多分、魔王に尋ねた私。
「俺は…、名前などは当の昔に忘れたが…。魔王だ。」
当の昔って…。
何年いきてるんだろ?
魔王さん。
「ああ、正確には大魔王だ」
あ、そうですか。
で。
「何年いきてるんすか?大魔王さん」
なんとか会話を繋ぎ止めないと、気まずくてしょうがない。
「お前達人間が夢を見たときからだ」
そして大魔王さんは初めて私に顔を向けた。
あ…。
格好いい…。
皆がそうかは分からないけど。
私的にはストライク。
そして私が口を開くより先に。
「お前、この世界のものではないだろう?」
魔王…大魔王さんは、
こう言ったのだった。