魔界の恋模様
「…ドラゴンが、消えてる…?」

私達が乗っているドラゴン。
そのドラゴンが羽から砂の様に…消えていっているのだ。

「誰かが夢を、なくしたの?」

その言葉に胸が締め付けられた。
見れば世界の所々で…ドラゴンの様に消えていっている物がある。

「いずれは俺も消えるのだろう」

そう言って笑った大魔王の、
切なげな笑顔に…
涙腺が、ゆるんでしまった。

「なにを泣く?此処が…俺が消えればお前は帰れるのだぞ?」

「だっ…て…!」

そう。大魔王さんの言ってることは正しいはずなのに。

私の涙は、とまらなかった。




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