君へ恋



「いや、してるね」






私はまるで自分に言い聞かせるかのように

修聖に向かって言った。



「泣きそうな顔なんて
してないッ」




泣きそうな顔なんて
したくない




私が悪いのに


私に泣く権利なんてない、





もぉ千秋とは関わらないって決めたんだから…




私は席を立ち上がると

鞄を持って教室を出た。



「おい明奈!!」


後ろでは修聖の声がしたけど

そんなの無視で走り出した




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