男前な彼女〈短〉
昼休み屋上で香織とご飯を食べる。
(これはもう昔からのことで習慣化している)
香織はあぐらをかいて俺の弁当から

「も―らいっ★」

とか言って卵焼きを取った。

「ごらァっ!何しとんねん!」

「裕が食べんの遅いから悪いんやろ―!」

あ―、ほんま腹立つ。
俺は怒ったで!
食べ物の恨みは怖いんやからなっ!!
そう思いながら横目で
香織を見る。

「何?そんな見つめて、チューでもしたいんか?」

「気色悪いことをいうなっ!」

「何焦ってるん」

ははって笑う香織に何でかドキドキしてる俺。
なにこれ…?

「なぁ見てみて!
空めっちゃキレイ!!」

香織がごろんと仰向けにねっころがった。
俺も同じように寝転がる。

「ほんまや…」

「やろっ?★」

眩しい―とか言いながら顔に手をあてる香織の横顔を見ながら思う。
そっか…
俺、香織のこと好きなんや…

「なぁ、香織」

「ん―?」

相変わらず香織は空を見上げて目を細めている。

「好きや」

自分の気持ちに素直になったら、なんだか急に君に伝えたくなった。
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