風魔の如く~紅月の夜に~
「これが、俺の式・・・・?」
三人と一匹の視線が、その刀に集まる。中でも、ミキの視線は特別であった。
(極限まで無駄を省き、軽量化した剣・・・。恐らく、この剣には、私の『黄泉の糸』程の殺傷能力もない・・・。それに比べて、この重々しい存在感。この式、何かある)
しかし、ミキの考えとは正反対に、敵は怯まない。
「お前の式、変わってるね~♪式の癖に殺傷能力も、特別な力も感じない。お願いだから、僕を少しくらい楽しませてから死んでね♪」
相手のその一言を合図に、狼の頭の一つが、血に飢えた牙で晶に襲い掛かる。
「おわっ!」
辛うじて晶が初撃をかわすと、間髪入れずに、あとの三つの頭が次々と攻撃を仕掛ける。
何とか全てをかわしきり、晶がさっきまで立っていた地面を見ると、アスファルトが 粉々に砕けて、まるで隕石でも落ちたかのように抉られている。晶の額に、冷や汗が滲んだ。
「す、凄い破壊力・・・」
(おいおい!こんなの喰らったら、一発で昇天しちまうぞ?!なんとか、この攻撃を止めないとな・・・・。)
しかし、その後も次々と四つの頭は晶が近付く度に襲い掛かる。何度かは懐に入ろうとはしたものの、せいぜい葉菊で防ぐのが精一杯で、四つの頭の届く範囲には攻撃は出来ない。
かといって、攻撃の届かない狼の後ろを取ろうとすれば、大きな身体に似合わぬ俊敏さで、後ろを取らせない。晶の体力も限界に近い。晶が考えあぐねていると、ミキが叫んだ。
「式は武器。式で受けては駄目だ!恐怖を捨てて、一気に相手に切り込め!」
(無理を言うぜ。それが出来れば苦労しないっての!でも・・・)
晶は、刀を握りなおす。
(賭けるしかねえ!)
三人と一匹の視線が、その刀に集まる。中でも、ミキの視線は特別であった。
(極限まで無駄を省き、軽量化した剣・・・。恐らく、この剣には、私の『黄泉の糸』程の殺傷能力もない・・・。それに比べて、この重々しい存在感。この式、何かある)
しかし、ミキの考えとは正反対に、敵は怯まない。
「お前の式、変わってるね~♪式の癖に殺傷能力も、特別な力も感じない。お願いだから、僕を少しくらい楽しませてから死んでね♪」
相手のその一言を合図に、狼の頭の一つが、血に飢えた牙で晶に襲い掛かる。
「おわっ!」
辛うじて晶が初撃をかわすと、間髪入れずに、あとの三つの頭が次々と攻撃を仕掛ける。
何とか全てをかわしきり、晶がさっきまで立っていた地面を見ると、アスファルトが 粉々に砕けて、まるで隕石でも落ちたかのように抉られている。晶の額に、冷や汗が滲んだ。
「す、凄い破壊力・・・」
(おいおい!こんなの喰らったら、一発で昇天しちまうぞ?!なんとか、この攻撃を止めないとな・・・・。)
しかし、その後も次々と四つの頭は晶が近付く度に襲い掛かる。何度かは懐に入ろうとはしたものの、せいぜい葉菊で防ぐのが精一杯で、四つの頭の届く範囲には攻撃は出来ない。
かといって、攻撃の届かない狼の後ろを取ろうとすれば、大きな身体に似合わぬ俊敏さで、後ろを取らせない。晶の体力も限界に近い。晶が考えあぐねていると、ミキが叫んだ。
「式は武器。式で受けては駄目だ!恐怖を捨てて、一気に相手に切り込め!」
(無理を言うぜ。それが出来れば苦労しないっての!でも・・・)
晶は、刀を握りなおす。
(賭けるしかねえ!)