風魔の如く~紅月の夜に~
晶が、ミキの言った通り立ってみると、部屋の全容が明らかになった。へやの中は人形が散らかっていて、その中に埋もれるように冷蔵庫が顔を出していて、部屋の両方のかべには、全く同じベッドが一対用意してあり、それぞれに女の子と、男の子が座っていた。
男の子の方は、喧嘩の原因と思われるショートケーキを手に持っている。
睨み合う二人を交互に見るとミキは、男の子の方に話し掛けた。
「全く進歩がないな。ヨウ、カイにケーキを分けてやれ。」
その言葉を聞くと、男の子の方は、ショートケーキを隠す。
「ヨウ、お前がそんな事していると、いつまで経っても本題に入れないんだ。」
「だって、カイがいつも、僕の分食べちゃうんだもん!」
「わかった。私がもう一個買ってやるから、な?」
「うう~・・・」
渋々と男の子はケーキを半分、女の子に渡す。
女の子の方は、その間、勝ち誇ったかのように微笑を浮かべている。
晶はその様子を見ながら確かな疲れを感じた。
(はあ、なんなんだ?この二人は・・・)
やがて、ケーキが二人の腹の中におさまると、ミキが話を再開した。
「さてと、今日はお前らに紹介したい奴がいるんだ。」
「紹介したいって、この馬鹿っぽい兄ちゃん?」
カイと呼ばれた女の子は、迷わずミキの後ろにいる晶を指さす。
(馬鹿で悪かったな。馬鹿で・・・)
続いて、ヨウと呼ばれていた男の子が話しに参加する。
「『しょうかい』って、どう言う意味?」
「全く、ヨウは馬鹿だな~。人に教える事だよ。」
「へ~、そうなんだ・・・」
子供特有の会話が二人の中でなされる。その様子は、先程の喧嘩を全く引きずっていない
ようだ。さすがは子供というものである。
二人の子供会話が終わると、ミキは話を続けた。
「ああ、コイツが私達の仲間になる事になったんでな。神野晶だ」
「よ、よろしく」
挨拶すると、暫くの沈黙が訪れた。その間、じっと二人の子供の視線は晶に注がれていた。
(あ、あれ?俺なんか悪い事したのかな?)
男の子の方は、喧嘩の原因と思われるショートケーキを手に持っている。
睨み合う二人を交互に見るとミキは、男の子の方に話し掛けた。
「全く進歩がないな。ヨウ、カイにケーキを分けてやれ。」
その言葉を聞くと、男の子の方は、ショートケーキを隠す。
「ヨウ、お前がそんな事していると、いつまで経っても本題に入れないんだ。」
「だって、カイがいつも、僕の分食べちゃうんだもん!」
「わかった。私がもう一個買ってやるから、な?」
「うう~・・・」
渋々と男の子はケーキを半分、女の子に渡す。
女の子の方は、その間、勝ち誇ったかのように微笑を浮かべている。
晶はその様子を見ながら確かな疲れを感じた。
(はあ、なんなんだ?この二人は・・・)
やがて、ケーキが二人の腹の中におさまると、ミキが話を再開した。
「さてと、今日はお前らに紹介したい奴がいるんだ。」
「紹介したいって、この馬鹿っぽい兄ちゃん?」
カイと呼ばれた女の子は、迷わずミキの後ろにいる晶を指さす。
(馬鹿で悪かったな。馬鹿で・・・)
続いて、ヨウと呼ばれていた男の子が話しに参加する。
「『しょうかい』って、どう言う意味?」
「全く、ヨウは馬鹿だな~。人に教える事だよ。」
「へ~、そうなんだ・・・」
子供特有の会話が二人の中でなされる。その様子は、先程の喧嘩を全く引きずっていない
ようだ。さすがは子供というものである。
二人の子供会話が終わると、ミキは話を続けた。
「ああ、コイツが私達の仲間になる事になったんでな。神野晶だ」
「よ、よろしく」
挨拶すると、暫くの沈黙が訪れた。その間、じっと二人の子供の視線は晶に注がれていた。
(あ、あれ?俺なんか悪い事したのかな?)