風魔の如く~紅月の夜に~
「そうよ、キサの言う通り。昨日、襲われた貴方なら分かっていると思ったんだけど・・・良い?『知恵の実』は力に執着した組織。組織の仲間を増やすとは言っても形ばかりで、力でねじ伏せ、殆ど無理矢理に承諾させるの」
晶は、昨日の事を思い出す。確かに、個人の感情なんか、無視して、無理矢理に仲間にしようとしていた。しかし、ここで晶にある疑問が浮かんだ。
(それなら、言う事を聞かないんじゃないのか?)
「でも、それなら、仮に仲間にしても言う事を聞かないんじゃないんですか?」
晶が思った事を言うと、葵は溜息をつき、ミキを睨んだ。
「ミキ~。大樹はこの子に、何を教えたの?肝心な事、一つも教えてないじゃない」
「い、いや~。その・・・」
ミキは、苦笑いをする。
葵は、もう一度溜息をつくと、説明し始めた。
「まあ、いいわ。『知恵の実』は、貴方のような適合者を求めているだけじゃないの。何しろ、適合者が出るなんて、かなり稀な事だし、殆どの適合者は『時の風』の傘下。手なんか、そうそう出せない・・・。
だから、『知恵の実』は大抵、普通を狙う。何の力も無い普通の人は、当然、適合者のような力は無い。
では、何のために襲うのか?それは、『モムンクルス』を作るため・・・『モムンクルス』は『闇使い』の言う事を完全に聞くように改造されていて、正に、知恵の実にとっては、『役に立つ消耗品』ね。だから、どうせ『モムンクルス』にする普通人は、力でねじ伏せてもOKって訳。」
「そ、そんな事が本当に?」
「ええ。だから、ミキが昨日、貴方を助けなければ晶、貴方は『モムンクルス』になって今頃、人を襲っていたでしょうね・・・」
晶は自分がそうなった時を想像する。
自分という意識が無く、ただ闇使いの言うことを聞く自分・・・・そして、いつか、自分は杏子に手を掛けてしまう・・・
晶は、身震いをした。
晶は、昨日の事を思い出す。確かに、個人の感情なんか、無視して、無理矢理に仲間にしようとしていた。しかし、ここで晶にある疑問が浮かんだ。
(それなら、言う事を聞かないんじゃないのか?)
「でも、それなら、仮に仲間にしても言う事を聞かないんじゃないんですか?」
晶が思った事を言うと、葵は溜息をつき、ミキを睨んだ。
「ミキ~。大樹はこの子に、何を教えたの?肝心な事、一つも教えてないじゃない」
「い、いや~。その・・・」
ミキは、苦笑いをする。
葵は、もう一度溜息をつくと、説明し始めた。
「まあ、いいわ。『知恵の実』は、貴方のような適合者を求めているだけじゃないの。何しろ、適合者が出るなんて、かなり稀な事だし、殆どの適合者は『時の風』の傘下。手なんか、そうそう出せない・・・。
だから、『知恵の実』は大抵、普通を狙う。何の力も無い普通の人は、当然、適合者のような力は無い。
では、何のために襲うのか?それは、『モムンクルス』を作るため・・・『モムンクルス』は『闇使い』の言う事を完全に聞くように改造されていて、正に、知恵の実にとっては、『役に立つ消耗品』ね。だから、どうせ『モムンクルス』にする普通人は、力でねじ伏せてもOKって訳。」
「そ、そんな事が本当に?」
「ええ。だから、ミキが昨日、貴方を助けなければ晶、貴方は『モムンクルス』になって今頃、人を襲っていたでしょうね・・・」
晶は自分がそうなった時を想像する。
自分という意識が無く、ただ闇使いの言うことを聞く自分・・・・そして、いつか、自分は杏子に手を掛けてしまう・・・
晶は、身震いをした。