風魔の如く~紅月の夜に~
「きゃあ!」
遠くから、女性の叫び声が聞こえてきたのだ。
すぐさま、二人が声のした方に向かうと、二十歳程の年齢の女性に、狼頭の怪物が襲いかかろうとしていた。それに気付いたミキが女性をその場から連れ出す。
「いいか晶。ソイツもお前を襲った奴と同じモムンクルスだ!」
「分かってる・・・来い、葉菊!」
晶の声と共に式の葉菊が晶の手の中に姿を現す。その姿は、昨日と寸分違わず、ほっそりとしていて、異様な存在感を出していた。
それを確認すると、晶は一気にモムンクルスに斬りかかる。それに反応し、モムンクルスも、狼の鋭い牙で噛み付こうとする。
ブジュァ!
肉と肉を切り離す音が響く、狼の牙は晶にとどく事無く、葉菊のすらりとした刃が口を貫いたのだ。すると、たちまち口からモムンクルスの身体が腐っていく。辺りには、耐え難い程の臭気が漂った。やがて、身体は完全に腐り果て、骨だけになった。それを確認すると、ミキが女性に声を掛ける。そう、まさに晶に声を掛けた時と同じように・・・
「すいません。貴方には彼の手の中に何か見えますか?」
「い、いいえ・・・あの、さっきのは一体?」
女性がそこまで言うと、ミキは無理矢理に女性の腹部に拳を叩き込んだ。
「うっ!」
女性が意識失った事を確認すると、ミキは女性を道路の端へと運んだ。
「な、何したんだ?」
「あ?ああ、これのことか?」
ミキは晶に拳を見えるように振る。
「まあ、気を失わせたな。拳で」
「そ、そんな事したら危ないじゃないか!」
「大丈夫、大丈夫。拳一つくらいで死にはしない。まあ、一気に十発も叩き込まれればべつだけど」
「・・・そうなのか?」
「まあ、一応な。さて、今日はこんなもんだろ。屋敷に戻るぞ」
「あ、ああ・・・・」
晶たちが屋敷に戻ると、大樹が料理を作って待っていた。
一緒に葵とキサもいて、随分前に戻ったらしい。
晶たちが席に着こうとすると、ヨウとカイが二階から降りてきた。
二人とも、腹が減っているのが見て分かる。
それから晶達は、大樹の料理を食べた。食卓には活気があり、晶は存分に食べ、存分に笑った。こうして、晶の式使いとしての生活が始まった・・・
遠くから、女性の叫び声が聞こえてきたのだ。
すぐさま、二人が声のした方に向かうと、二十歳程の年齢の女性に、狼頭の怪物が襲いかかろうとしていた。それに気付いたミキが女性をその場から連れ出す。
「いいか晶。ソイツもお前を襲った奴と同じモムンクルスだ!」
「分かってる・・・来い、葉菊!」
晶の声と共に式の葉菊が晶の手の中に姿を現す。その姿は、昨日と寸分違わず、ほっそりとしていて、異様な存在感を出していた。
それを確認すると、晶は一気にモムンクルスに斬りかかる。それに反応し、モムンクルスも、狼の鋭い牙で噛み付こうとする。
ブジュァ!
肉と肉を切り離す音が響く、狼の牙は晶にとどく事無く、葉菊のすらりとした刃が口を貫いたのだ。すると、たちまち口からモムンクルスの身体が腐っていく。辺りには、耐え難い程の臭気が漂った。やがて、身体は完全に腐り果て、骨だけになった。それを確認すると、ミキが女性に声を掛ける。そう、まさに晶に声を掛けた時と同じように・・・
「すいません。貴方には彼の手の中に何か見えますか?」
「い、いいえ・・・あの、さっきのは一体?」
女性がそこまで言うと、ミキは無理矢理に女性の腹部に拳を叩き込んだ。
「うっ!」
女性が意識失った事を確認すると、ミキは女性を道路の端へと運んだ。
「な、何したんだ?」
「あ?ああ、これのことか?」
ミキは晶に拳を見えるように振る。
「まあ、気を失わせたな。拳で」
「そ、そんな事したら危ないじゃないか!」
「大丈夫、大丈夫。拳一つくらいで死にはしない。まあ、一気に十発も叩き込まれればべつだけど」
「・・・そうなのか?」
「まあ、一応な。さて、今日はこんなもんだろ。屋敷に戻るぞ」
「あ、ああ・・・・」
晶たちが屋敷に戻ると、大樹が料理を作って待っていた。
一緒に葵とキサもいて、随分前に戻ったらしい。
晶たちが席に着こうとすると、ヨウとカイが二階から降りてきた。
二人とも、腹が減っているのが見て分かる。
それから晶達は、大樹の料理を食べた。食卓には活気があり、晶は存分に食べ、存分に笑った。こうして、晶の式使いとしての生活が始まった・・・